パックマン・ディフェンス

「パックマン・ディフェンス」とは、企業買収(M&A)における防御策の一つで、ターゲット企業が買収者に対して逆に買収を試みる戦術を指します。この名称は1980年代のアーケードゲーム「パックマン」から取られており、ゲーム内でキャラクターが敵を逆襲する様子に由来します。

具体的には、ターゲット企業が買収者の株式を市場から大量に購入し、買収者の経営権を自らの手中に収めようとする行動を指します。これにより、元々買収を仕掛けた企業は自社が逆に買収されるリスクを負うことになります。この戦略は、買収者にとって非常に高いリスクを伴い、ターゲット企業の買収意図を断念させる効果が期待されます。

パックマン・ディフェンスは、特に敵対的買収の防御策として有効であり、買収者が予期しない逆襲に直面することで、自らの経営権を失う可能性を嫌って買収計画を撤回するケースが多いです。この戦略を効果的に実行するためには、ターゲット企業が十分な資金力を持ち、迅速に株式を買い集める能力が求められます。したがって、パックマン・ディフェンスは資本力のある企業にとって有力な防御策となり得ます。

関連用語

買収防衛策