現在価値（Present Value, PV）とは、将来のキャッシュフローを現在の価値に割り引いたものです。
将来得られる収益や利益は、その時点での価値をそのまま評価するのではなく、時間価値を考慮して現在の価値に変換します。このプロセスはディスカウント（割引）と呼ばれ、割引率には企業のリスク、資本コスト、金利などが影響します。
M&A業界では、企業価値の評価が不可欠です。企業を買収する際、将来のキャッシュフローを生み出す能力が重要視されます。そのため、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引くことで、買収対象企業の真の価値を把握します。たとえば、将来にわたって得られる利益やコスト削減効果を現在価値に引き直すことで、買収価格の妥当性を評価します。これにより、誤った企業価値評価を避け、適正な買収価格を設定できます。
また、現在価値の概念は、DCF法の基礎となります。DCF法は、企業価値評価の一手法であり、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた合計をもって企業の価値とします。この手法は、特に長期的な収益を見込む企業の評価に効果的です。
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