リテイナーフィーは、特にM&A業界において、アドバイザリーサービスを提供するために事前に支払われる報酬のことを指します。これは、顧客がM&Aアドバイザリー企業(例えば、投資銀行やM&A専門のコンサルティング会社)に対して、取引が成立するかどうかにかかわらず、事前に支払う報酬です。
リテイナーフィーの主な目的は、専門的なアドバイザリーサービスを提供するための初期費用やリソース配分をカバーすることにあります。具体的には、企業価値評価、市場分析、戦略立案、交渉支援など、多岐にわたる専門知識と労力を要する業務が含まれます。このフィーは、顧客とアドバイザーの間での長期契約を前提にしており、しばしば月次や四半期ごとに支払われる形式を取ることが多いです。
また、リテイナーフィーは成功報酬とは異なり、取引が実際に成立しなくても支払われる点が特徴です。そのため、アドバイザーにとっては安定した収入源となり、サービスの提供において質を維持するためのモチベーションとなります。一方、顧客にとっては、専門的なアドバイザリーサービスにアクセスできると同時に、適切な進捗管理を受けることができるメリットがあります。
関連用語