簿外債務

簿外債務とは、企業の財務諸表に計上されていない負債を指します。これには、法的に明示されていないが実質的には負債とみなされるもの、あるいは意図的に財務諸表から除外されたものが含まれます。典型的には、リース債務、保証債務、退職給付債務、未払費用などがこれに該当します。M&Aにおいて簿外債務が重要となる理由は、財務状態の真の把握が困難になるためです。簿外債務が存在することで、買収対象企業の財務健全性が損なわれる場合があり、買収後に予期しない負債が発覚するリスクが高まります。

簿外債務は、企業の信用リスクやキャッシュフローに重大な影響を与えうるため、デューデリジェンスの過程で特に注意を要します。買い手企業は、簿外債務の存在を識別し、それに対する適切な対策を講じる必要があります。

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