ブレークアップ・フィー

ブレークアップ・フィー(Breakup Fee)は、M&A取引において、特定の条件下で取引が成立しなかった場合に支払われるペナルティー的な費用です。この費用は主に、売り手側が契約から離脱する場合に買い手側に支払われます。具体的には、売り手が他の買い手と取引を進めた場合や、取締役会の承認を最終的に得られなかった場合などが該当します。

ブレークアップ・フィーの目的は、買い手に対するリスク軽減と取引の確実性を高めることにあります。買い手はM&Aプロセス中に多大な時間と資源を費やすため、取引が突然破談になると大きな損失を被る可能性があるからです。したがって、この費用は買い手に対する保険的な役割を果たします。

また、ブレークアップ・フィーは売り手にとっても一定のメリットがあります。具体的には、売り手がより高い価格や好条件を引き出すための交渉材料として利用できる点です。これにより、特定の買い手だけではなく、複数の買い手候補からのオファーを受ける際に、その競争力を高める手段としても機能します。

一般的には、ブレークアップ・フィーの額は取引総額の1%から3%程度が相場とされていますが、その額は交渉によって決定されます。

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