PBR(Price Book-Value Ratio)は、日本語で「株価純資産倍率」とも訳される財務指標です。これは、企業の株価がその純資産に対してどの程度の倍率で評価されているかを示す指標であり、具体的には以下の式で計算されます。
PBRはM&A業界において企業の評価や投資判断に重要な役割を果たします。特に、買収対象となる企業の市場価値と簿価の比較に利用され、企業が割安または割高であるかを判断するための一つの基準となります。PBRが1を下回る場合、その企業の市場価値が純資産を下回っていることを意味し、潜在的に買収の好機とされることがあります。逆に、PBRが1を超える場合、その企業の市場価値が純資産を上回っていることを意味し、これは企業が市場から高く評価されていることを示します。
M&Aにおいては、PBRは企業の統合後の資産価値を評価するための一助となります。特に、資産の再評価やシナジー効果を見込んだ上で、PBRがどのように変動するかを分析することが重要です。また、企業買収の際には、PBRだけでなく他の指標(PERやEBITDA倍率など)と併用することで、より総合的な企業評価が可能となります。
PBRは時価総額に対して純資産の評価を行うため、企業の資産の質や負債の状況にも大きく左右される点に留意が必要です。従って、PBRの解釈にはバランスシートやキャッシュフロー計算書など他の財務諸表の情報も考慮することが重要です。
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