ノンリコースローン(Non-Recourse Loan)は、借入人がローン返済不能となった際に、貸金業者(銀行など)が担保として提供された資産(通常、対象不動産や事業資産)のみから債権回収を行う形式のローンです。このため、借入人の個人資産や他の事業資産に対しては一切の返済義務が課されません。
M&A業界においては、ノンリコースローンは企業の買収資金として重要な役割を果たします。特にLBOなどの買収手法で広く利用されます。LBOでは、買収対象企業の資産を担保にして借入れを行い、その資金で買収するため、ノンリコースローンが適しています。これにより、買収者は自己資金の投下を抑え、買収リスクを低減することが可能です。
また、ノンリコースローンは投資家や融資機関にとってリスク管理のツールともなります。リコースローンと異なり、貸付先がデフォルトした場合でも、貸し手の返済請求は担保資産に限定されるため、貸し手は事前にリスク評価を厳しく行い、貸付額を担保資産の価値以下に抑えることが一般的です。これにより、不良債権のリスクを抑えることができます。
M&A業界では、このローン形式が持つリスクコントロールの特性が重宝されており、特に企業買収や不動産投資ファンドなどでの活用が一般的です。
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