独占交渉権

独占交渉権とは、M&Aプロセスにおいて、売り手が特定の買い手に対して一定期間他の交渉を行わない権利を指します。この期間中、売り手は他の潜在的な買い手との交渉を停止し、特定の買い手とだけ協議を進めます。この権利は買い手に対して安心感を提供し、買収プロセスをスムーズに進めるための重要な手段として利用されます。

独占交渉権は、通常、意向表明書や覚書といった初期段階の文書に含まれます。これにより、買い手は詳細なデューデリジェンスを行うための時間を確保できます。同時に、売り手も特定の買い手と集中して交渉を進めることが可能となります。

この権利の設定は、交渉を行う双方にとってメリットがあります。買い手にとっては、専有的に交渉を進められるため、他の競争者がいない状態で取引条件を整えやすくなります。一方、売り手にとっては、買い手が真剣に取引を進める意思を持っていることを確認できるため、取引成功の確率が高まります。

ただし、独占交渉権にはリスクも伴います。特に売り手側にとっては、独占交渉期間中に他の潜在的な買い手を失う可能性があります。そのため、独占交渉権の設定期間を適切に短くすることや、買い手の真剣度を確認するための工夫が必要です。

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