テンダー・オファー

テンダー・オファー(Tender Offer)とは、会社の株式を一定の割合またはすべて取得するために、一般株主に対して公開買付を行う方法のことを指します。この手法はM&A業界でよく利用され、特に企業の買収や合併を目的として行われます。

テンダー・オファーは通常、買収者が市場価格よりも高い価格で株式を購入する意向を示し、これに応じた株主が株式を売却することで成立します。この方法のメリットは、短期間で大量の株式を取得できること、また公開買付けのプロセスに透明性が求められるため、公正な取引が期待できる点です。

ただし、テンダー・オファーには規制も多く、日本では金融商品取引法(旧商法)が適用されます。具体的には、一定の株式数以上を取得する場合、事前に金融庁に届出を行う必要があります。また、公開買付けの条件や価格、期間なども法律によって定められており、違反するとペナルティが科せられることがあります。

さらに、敵対的買収を目的とする場合には、対象企業の経営陣が反発するケースもあり、これが取引の成否を左右する要因となることもあります。そのため、テンダー・オファーは企業戦略としても非常に慎重な計画と実行が求められます。

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