スタンドスティル条項(Standstill Provisions)は、特にM&Aにおける重要な契約条項の一つです。この条項は、主に交渉の初期段階で企業間で取り交わされる機密保持契約や排他交渉権契約に含まれることが多いです。スタンドスティル条項の主な目的は、特定の期間において、一方の企業が相手企業に対して敵対的買収や株式買い増しなどの競争的行動を行わないように制約することです。
具体的には、スタンドスティル条項により、買収側企業は一定期間、相手企業の株式を追加で取得したり、相手企業に対してTOBを行ったりすることが制限されます。これにより、売却側企業は安心して交渉を行うことができ、また、交渉が不調に終わっても敵対的な買収を防ぐことができます。この条項は、交渉の公正性と透明性を維持するために非常に重要です。
また、この条項は一方的なものではなく、交渉中の両企業の利益を保護するために設けられます。買収候補者が秘密裏に交渉情報を利用して市価を操作することなどを防ぐために、スタンドスティル条項は効果的です。したがって、スタンドスティル条項はM&Aプロセスにおける重要なリスク管理ツールとも言えます。
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