ROAは「Return on Assets」の略で、日本語では「総資産利益率」とも呼ばれます。これは企業がその総資産をどれだけ効率的に活用して利益を上げているかを示す指標です。具体的には、ROAは次の計算式で求められます。
M&A業界では、ROAは非常に重要な指標となります。M&Aの目的の一つは、統合後の企業の効率性を向上させることです。そのため、ROAは買収後の企業パフォーマンスを評価する際に利用されます。また、ROAが高い企業は、資産を効率的に運用していると見なされるため、投資対象としての魅力が増します。反対に、ROAが低い企業は資産運用の効率が悪いとされ、統合によるシナジー効果を発揮するための改善余地が大きいとも言えます。
さらに、ROAは企業の資本構造にも影響を受けにくいため、異なる資本構成の企業同士を比較する際の公平な指標としても利用されます。例えば、借入金が多い企業と自己資本が多い企業を比べる際には、ROEよりもROAの方が適しています。これは、借入金の利子が当期純利益に影響するものの、総資産そのものには直接影響を及ぼさないためです。
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