三角合併

三角合併(Triangular Merger)は、M&Aの一形態で、主に買収企業(親会社)が新設した子会社(特設会社)を介して、対象企業(被合併企業)を吸収する手法を指します。このプロセスでは、買収親会社は直接的にではなく、その子会社が被合併企業に対して合併を行い、合併後の存続会社がその子会社になります。これにより、買収親会社は新たに株式を発行せずに合併を完了できるため、株式希薄化のリスクを回避できます。

三角合併は以下の手順で行われます。

  1. 親会社が特設会社を設立
  2. 特設会社が対象企業と合併契約を締結
  3. 合併後、特設会社の持つ親会社株式を対象企業の株主に割り当てる

この手法では、特設会社が対象企業を吸収する際に親会社の株式が対価として使用されるため、現金支出を抑えることが可能です。また、特設会社が親会社の完全子会社であるため、合併後の経営統合がスムーズに進みやすいという利点があります。

三角合併は、特に日本では2007年の会社法改正により解禁され、クロスボーダーM&Aを活発化させる一助となりました。これにより、国外の企業が日本企業を買収する際にも、資金拘束を最低限に抑えた形での買収が可能となり、国際的なビジネス環境の視野が広がりました。

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合併