詐害行為とは、法律用語で、債務者が自らの財産を意図的に減少させ、債権者がその財産を回収できないようにする行為を指します。この行為は、日本の民法第424条に基づき、債権者によって取り消されることができます。詐害行為の例としては、不動産や高額な動産を家族や第三者に譲渡することなどが挙げられます。
特にM&A業界においては、詐害行為が重大な問題となることがあります。M&Aのプロセスでは、買収企業がターゲット企業の財務状況や資産を詳細に評価し、その対価を決定します。しかし、ターゲット企業が意図的に財産を隠匿または減少させることで、買収企業が予期しない損失を被る可能性があります。例えば、ターゲット企業がM&Aプロセスの前に資産を債務者に移転することで、買収後にその資産を取り戻せない状況に陥ることが考えられます。
このため、デューデリジェンスプロセスでは、過去の取引履歴や資産の移動が厳密にチェックされます。また、買収契約には、詐害行為を防止するための条項(例:表明保証条項)が設けられることが一般的です。これにより、万が一詐害行為が発覚した場合には法的措置を取ることが可能です。
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