競業避止義務は、企業の買収や売却を行う際に、売却側の企業やその主要な経営者、従業員が一定期間、同じ業種や市場において競合する事業を行わないようにする契約上の義務を指します。
この義務は、買収後の企業が元の持つ価値を維持し、それ以上に発展させるために設定されます。例えば、買収された企業の元経営者が同じ業界で新しい事業を始めた場合、買収元に大きな損害をもたらす可能性があります。このため、買収契約書や従業員契約書に競業避止義務が盛り込まれることが一般的です。
競業避止義務は、通常、一定期間(例:1年から5年)と地理的な範囲(例:特定の国や地域)を限定して適用されます。この期間と範囲は、法律や契約の具体的な内容によって変わりますが、過度に広範であったり長期間にわたるものは公正取引に反するとして無効とされる場合もあります。
この義務を守らない場合、契約違反として多額の損害賠償が発生するリスクがあります。そのため、競業避止義務は企業間のM&Aにおいて非常に重要な要素とされ、契約締結の際には慎重に検討されます。
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