株式の持ち合い(株式相互持ち合い)は、企業同士が互いに相手企業の株式を保有することを指します。このような関係は、企業間の戦略的提携や協力を強化する目的で行われることが多いです。特に日本では、バブル経済期に多く見られた手法であり、企業同士の結びつきを強固にし、敵対的買収を防ぐための一手段として用いられました。
M&Aの観点から見ると、株式の持ち合いにはいくつかの利点と課題があります。利点としては、企業同士の関係を安定させ、長期的な協力関係を維持することができる点が挙げられます。また、敵対的買収を防ぐための盾として機能することもあります。持ち合いの企業が第三者からの買収提案を受けた際、持ち合いパートナーが反対票を投じることで、買収を阻止することが可能です。
しかし、課題もあります。たとえば、株価の上下により持ち合い企業の財務状況が影響を受けるリスクや、経営判断における柔軟性が失われる可能性がある点です。また、株式を持ち合うことで利益相反が発生する場合もあります。このような状況は、企業の透明性やガバナンスに悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
以上のように、株式の持ち合いは企業間の関係強化や敵対的買収の防止といったメリットがある一方で、リスク管理やガバナンスの観点からの課題も抱えています。
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