価格調整条項(Price Adjustment Clause)は、M&A取引の一環として交渉される契約条件の一部であり、買収価格を一定条件に基づいて調整するためのメカニズムです。この条項は特に企業買収や株式取得時に使用され、取引完了後の一定期間における業績や財務状況の変動を反映させるために設けられます。
具体的には、売主と買主が合意した基準に基づき、取引後に対象企業の財務指標(例えば、純資産、売上高、EBITDAなど)が変更された場合、その変動を価格に反映させることを目的としています。これにより、取引完了後のリスクや利益を公平に分配することができます。
価格調整条項は主に以下の2つのタイプがあります。
1.買い手側の保護
買収後に企業の実績が期待に反した場合、買い手にとってリスクが高まるため、価格を調整することでそのリスクを軽減します。
2.売り手側の保護
売却時の評価に対して企業の実績が良好である場合、売り手がその増益部分を享受できるように調整されます。
調整の方法としては、取引完了後一定期間(例えば6ヶ月や1年)の実績を基準に価格を見直すケースや、特定の条件達成を基準として価格を再評価するケースがあります。これにより、価格調整条項はM&A取引における公平性を保つための重要な手段の一つとなっています。
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